床屋さん

このブログの左上にある似顔絵は家内が作ったものだが、とても似てると評判である。この似顔絵の通り、私は頭髪が禿げている。禿げているにも関わらず、私は週に1回床屋に行っている。というのも私は髪の毛をとても短く保っておきたいと思っているからだ。私のように頭髪が薄いと頭のトップの方はなかなか伸びず*1サイドだけのびてきてしまう。これがまた自分でも気持ち悪いし、家内には「ウーパーになってるよ」と言われてしまうのである。

ちょうどこの鰓のようにサイドののびた髪が見えるんだと思う。トップものびていればそんなことは無いのだろうが。これの行きつく先がバーコードおじさん、ということになるんだろうが、そんな面倒なことをするつもりは私には無い。そもそも髪が短いのに慣れると、少しでも伸びるともう自分でも気持ち悪いのである。
そんなわけで、こんな禿げ頭だが私は週に1回床屋に行っている。私が行っている床屋ではこれより短いペースで行っている客はいないという。つまり私は常連中の常連というわけだ(こんな禿げ頭なのに(笑))
そのうえ、私の頭はとてもいびつで形が悪いので、刈るのがとても難しいらしい。だから、私が行くと、いつもそこの店長さんが刈ってくれる。スタッフは他にも二人いるが、その人たちはせいぜい頭を洗うぐらいである(こんな禿げ頭なのに(笑))
その店長さんが手術を受けることになって入院した。今日床屋にいくと、別のスタッフの方の一人に「店長さんいないんですけど、いいですか?」と言われた。ダメなはずはないのでもちろんOKした。別にこんな禿げ頭、適当に短くしてくれればどうだっていいはずで、それこそオールバリカンの坊主にしたって他の人から見たら一緒なはずなのだが、この床屋にはまだ比較的髪があったころから通っていて、その流れで今もサイドはバリカン、トップのかすかに残った髪ははさみという、ちょうどスポーツ刈りのような刈り方をしている。いい機会だから「今回からはオールバリカンの坊主でいいですよ」、と、よっぽど言おうかと思ったが、そうしたらこの別のスタッフの方の腕を信用してないように思われるかも、と思い、「いつも通りで」とお願いしてしまった。実はこのスタッフの方は店長さんの息子さんのお嫁さんで、私がここに通い始めた10年以上前からずっといらっしゃるベテランさんで、前回私がカットにきたときにも店長さんからいろいろアドバイスを受けていて、「あ〜、入院したときにはこの方がカットしてくれるんだな〜、そのための引き継ぎをしてるんだな〜」と思っていた(こんな禿げ頭なのに(笑))
刈り始めると、やはり初めてで慣れないのか非常に慎重に細かく刈ってくれている。よっぽど「こんな頭にそんなに手間をかける必要ないですよ」と言おうかと思ったが、変な誤解されるといけないのでひたすら無言で刈ってもらう。あらかた刈り終わると「長さ大丈夫ですか?」と聞かれた。いつもより若干長めに刈られているような気がするが、それを言うとまた一からやり直しになって時間がかかるし、多分他の人が見たら分からないぐらいだと思うので「大丈夫です。」と言ってしまった。結局普段30分で終わるカットが、今日は40分以上もやってくれた。この店は一人普通のカットは30分で終わるようになっていて、そのおかげで予約ができて便利な店なのであるが、それを考えると10分以上のオーバーはこの店にとって完全に赤字である。最後に「いつもと違うかもしれなくてすみません」と丁寧に言われてしまったが、「そんなことないです。またお願いします。」と言って店を出た。店を出てしみじみ頭を触ってみると、やはりいつもより気持ち長いようだ。やはり切り過ぎるよりは切り足りない方があとあとやり直しがきくからそうなってしまうんだと思う。だから、これが気に入らないならその場で「もっと短く」と言えばいいんだが、私もこの頭にこれ以上時間をかける気は無い。どうせまた来週行くから、そしたらその時に「先週よりもさらに短くお願いします」と言えばいいのだ。
私も職種としては同じサービス業であるので、あちらの気持ちもなんとなく分かってなんだか座りのわるいような変な気持ちでいた。私の仕事はあまりリピーターというのはいないのでそのあたりはちょっと違うが、それでも「あの人にやってもらわないと…」ということはままある。別に私は、この頭を絶対に店長さんでお願いします、とは一回も言ったことがないし、今回も別に不満があったわけではない。ただ、今回刈ってくれたスタッフさんが今日は少しつかれたんじゃないかな〜、と、ちょっと気がかりだっただけである。
店長さんはしばらく入院されるそうだ。来週もまだ復帰はされないそうなのでしばらくは今回の方に刈ってもらえると思う。店長さんはしばらくしたら復帰されると思うので、そしたら私の頭を刈ってくれる人が二人になる。予約がちょっと入れやすくなるな、と思いつつ、店長さんの手術が上手くいくことを祈りながら、お店を出た。
外に出ると、春風が短く切った髪に気持ち良かった。

*1:似顔絵はトップの方の頭髪はないが実際はちょぼちょぼと生えているのである。まぁ、ほとんど無いに等しいが…(笑)