宿直

夜の見回りをしていたとき
どこからか電子音が聞こえた。
どうやらこの部屋から聞こえるらしい。
部屋には鍵がかかっている。
何の音だか分からないが、とても奇妙だ。
しみじみ考えてみると
こんなところに部屋はあったっけ?
考えれば考えるほど思い出せない。
この感じ、何かに似てるなぁ、と思った。
うろ覚えの漢字を書いてみて
「これで本当にあたってるかなぁ」
としみじみ文字を眺めていると、余計分からなくなるときの感じと同じだ。
こういうときは考えていてもしょうがない。
辞書に当たるしかないのだ。
だから、考えるのをやめて、担当部署に報告して、寝ることにした。


平和な夜…