水槽の音問題について考える

水槽の音については、我が家でも大問題になった。
そもそも以前所有していた1200×450×450の水槽のときには
初めはほとんど問題にはならなかった。
最初に音が気になるようになったのが
シルバーアロワナのために水流をつけようと思って
パワーヘッドを設置したときだ。
エアレーションもかねたので音は結構した。
ただ救いだったのが、家内はあの音は許容してくれたことである。
むしろ私のほうが気になり、マンションのリビングに設置していたのだが
リビングと寝室が近かったせいもあり
なかなか寝付けないときには私のほうが音が気になって
夜だけパワーヘッドをオフにしていたものだ。


次に問題が起きたのは上部濾過槽をもともとついていたものから
某ショップオリジナルのウエット・フルドライ兼用上部濾過槽に変えたときだ。
フルドライはろ過の立ち上がりが遅いので
最初はウエットで使用していたが
そうするとピット内での水の落差が大きくなるので
水が落ちる音が大きかった。
家内はこの音が苦手らしく、これには困ったが
これはろ過が立ち上がってフルドライにしたことによって
落差が少なくなって音は軽減したので問題はほぼなくなった。


次の問題は現在の水槽設備を作ったときだ。
現在の水槽は自宅新築に伴って設置した。
と、いうより、規格ガラス水槽が手狭になったシルバーアロワナのために
大きな水槽を設置したいと思い
自宅新築を思い立ったといっても過言ではない。
(もちろんもっと他にも大事な理由があるが
ここではこう書いておく)
家が完成して、すみ始めたあとに水槽の設置工事を行った。
水槽業者さんが水槽の設置を行ったあとに
後日家具屋さんに水槽下の仕舞いをしていただいた。
と、いうわけで、水槽の設置工事を行ってから
水槽下の仕舞いをするまでにしばらく時間があったわけだが
その間の音たるや、まるで工場の中にいるようであった。
もちろん、水槽業者さんの工事は完璧だったし
水槽業者さんの話だと、ポンプの設置場所を床下にしたことと
たまたま設置したポンプが当たりだったこともあって
今まで設置したなかでは静かな方だったという。
しかし、われわれには耐え難い音で
私は水槽が欲しくて設置したのだから仕方がないのだが
家内にとっては我慢ならない音であったろう。
しばらくはリビングでの会話が途絶えたものだ。
私は家具屋さんに、少しでも音が小さくなるように
考えていただけませんか、と相談したところ
仕舞いに使う扉の中の合板を通常より厚くしてくれた。
果たして仕舞いが終わると音は格段に小さくなった。
私も家内もとりあえず安堵した。
しかし、まだ音は気になるレベルであった。
と、いうのも、実は水槽工事時に水槽の蓋を確認したところ
若干の不備が見つかったので
後日追加工事までに修正する、ということで
水槽の蓋がなく、かぶっているのは養生シートのみであったのだ。
薄い養生シートの下からダイレクトに聞こえる
オーバーフロー管の水音は非常に気になった。
オーバーフロー管の水音対策のために
水槽業者さんはチェーンをつるしてくれていたし
もちろん、一般的なアクアリストにとっては
問題にならない音のレベルだったかもしれないが
私は相当神経質なたちだし
家内は理解があるとはいえ熱帯魚飼育に関しては部外者であるので
到底容認できるレベルの音ではなかった。
しかしこの音は水槽の蓋を設置することによって軽減し
私には容認できるレベルの水音になった。
家内も本心は気になっているのだろうが
私にはあまり言わないレベルの音なのであろう。
もしかするとあきらめの境地に立っているのかもしれないが…


現在一番大きな音がする水槽は稚魚育成水槽である。
H600の水槽の水位を400弱に落として飼育しているので
いかにピットから落ちる水の部分にエルボをかましていても
落ちる水が水面をたたいているのでは音は防ぎようもない。
家内もとても音が気になっているようであるが
水位を上げるとくろすけが餌をとり難くなってしまうので
その旨説明して納得してもらっている。
家内は私の熱帯魚飼育に対しては傍観者であるが
命を大事に、が彼女の主義らしく
魚に問題があると私以上に心配してくれる。
私が宿直でうちにいなかったときに
何度となく魚の危機を救ってくれたし
魚を死なせてしまったときには私以上に悲しんだものだ。
そんなわけなので、くろすけの成長のためなら
と納得してくれている。
本当にありがたいことである。
ただ、これも期限付きだから納得してくれているのであろうし
それは私も同じ気持ちだ。
私は大型水槽を所有している割には
細かいことを気にする軟弱初心者アクアリスト、なのである。


もし、WATABOWさんを初め、少しでも水槽の音を小さくしたい方々には

私は以下のことをお薦めしたい。


1.濾過装置を上部濾過、もしくは外部濾過にする。
 オーバーフロー水槽は相当頑張らないと音は小さくならないし
 小さくなったとしても上記の濾過の水槽にはかなわないと思う。
 単独飼育が前提なのであれば
 オーバーフロー濾過槽はオーバースペックであると思うし
 もし水草水槽を設置するのであれば
 CO2保持の面からも外部濾過が優れている。


2.オーバーフロー水槽を設置するなら防音対策をしっかりする。
 必要に迫られてオーバーフロー水槽を設置したいのなら
 防音対策は必須である。
 独身一人暮らしのアクアリストであれば
 自分ひとりが我慢すればよいことであるが
 われわれのように家族の理解が不可欠なアクアリストであれば
 音の問題は必ずクリアしなければならないであろう。
 防音対策にはうちでやっているような
 ○オーバーフロー管にチェーンをたらす
 もののほかに
 ○オーバーフロー管に蓋をする
 という方法があるらしい。
 うちでもやりたかったが設置条件の絡みで不可能であった。
 また、うちでも苦労したが
 ○キャビネットの材質を工夫する
 ことも大事である。
 見た目の面からも音の面からも保温の面からも
 濾過槽むき出しは奥様方には耐え難いものがあろう。
 ただ、保温の面に関しては冬は問題ないが
 春先を過ぎると逆に排熱の問題を考えなければならないが。
 キャビネットの材質は音を吸収する性質のある木がふさわしいが
 木だと長期使用時に腐るなどの問題があるので
 アングルを鉄またはステンレス(SUS)でつくり
 その周りを木で仕舞うのが理想的ではないだろうか?
 木は見た目においても耐久性においても
 化粧シートでしまいしてもらうことが望ましい。
 うちは見えるところは化粧シートで仕舞いしてもらったが
 肝腎の内側の一部が木むき出しである。
 しかしその部分の木材は木目の少ない輸入材であるので
 水を吸収しにくく、したとしても曲がりが少ないとのことであった。


4.エアレーションをやめる。
 エアレーションが本当に必要であれば仕方がないが
 必要ないのであればエアレーションの音が
 水槽の中で一番大きい音であることが
 特に上部濾過、外部濾過の水槽では多い。
 やめれば相当な音の軽減が期待できる。
 しかし、アロワナの飼育では、パワーヘッドなどを用いて
 細かな気泡の混じった水流をつくることが
 鰓めくれなどの予防になるとされている。
 (私自身、効果はあると思うがそれだけでは防げないと感じていたが)
 そのような効果を期待するのであればエアレーションはなくせない。
 どうしてもエアレーションをなくせないのであれば
 水槽の蓋に厚めの板を使うことによってかなり音は軽減すると思う。
 蓋が厚いと反り難いこともメリットである。
 ただ、メンテナンス時に重いのがデメリットであろうか?
 そのときのためにWATABOWさんや私のように
 日ごろから体は鍛えておくべきであろう。
 …うそです。そこまで重くはありません。
【追記】試してはいないが、上部濾過槽の場合でも
     濾過槽の蓋を厚く作ってもらえば
     ピットからオーバーフローする水の音が小さくなるかもしれない。
     上部濾過層でそこまでする必要があるかどうかは分からないが
     ブラックアロワナを終生飼育できる大きさの水槽の
     上部濾過槽の場合、もしかしたら私のような神経質な人であれば
     気になる音がするかもしれない。
     もしオーダーメイドの水槽を作ってもらうなら
     相談してみてもよいかもしれない。
     私なら相談してみると思う。
     もちろん使い勝手の問題もあろうが。


WATABOWさんのコメントに触発されて、長文の更新になってしまった。
本文は敬体ではなく常体で書くことにしているので
WATABOWさんに対しては失礼な文章になってしまっていることを
心より深くお詫びしたいが
コメントに触発された私にとっての一般論と解釈していただきたい。
また、私の熱帯魚飼育に対する知識・技術は非常に低く
私が書いた意見は非常に限られた経験による知識と
他人からの受売りがほとんどである。
そのことを留意して、参考にされる方はしていただきたいと思う。


とてもえらそうな文章になってしまった。
私の飼育技術を知っている人が見たらきっと苦笑するだろう。
また、あの人、この文章を見て笑ってるんだろうなぁ。